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    中国通史で辿る名言・故事探訪(魯・昭公十六年)

     「習いは実に常となる」

                     春秋時代

     日常の「習わし」というものは、いつの間にか日常茶飯事(平常のこと)

    と為るものである。

     魯・昭公十六年(前526年)、昭公(25代)は供奉していた子服昭伯

    と共に晋から魯に帰国した。

       ※ 子服昭伯は、魯の有力者であった子服恵伯(孟椒ともいう)の子。

     ある日のこと、子服昭伯は季平子(季孫意如)に語りかけた。

     「晋の公室は、それ将に遂に卑(ひく)からんとす。

      君は幼弱、六卿は彊(つよ)くして奢倣(しゃほう)なり。

      将に是によりて以って習わんとす。

      (=やがては是が習わしとなろう。)

      習いは実に常(つね)と為る。

      能く卑(ひく)きこと無からんや」と。

      (=どうして衰えないことがありましょうか。)

     季平子は、

     「お前はまだ若い、国の将来が読めるものか」

     と言って、信じなかったがその年の冬、晋の昭公(30代)の葬儀に

     参列して、いみじくも悟る所となった。

                        「春秋左氏伝 昭公十六年」

     ☷ 拾遺・弥縫

       書経の

       「習与性成」が出典。

       そもそも習慣というものは、長い年月を経て、生まれつきの性質

      のようになるもの、という意であるが、本来は悪い習慣への戒めが

      本意であった。





     
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    テーマ : 中国古典・名言
    ジャンル : 学問・文化・芸術

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    中国通史で辿る名言・故事探訪

     「解けない知恵の輪」

                       春秋時代

     ある時、魯の下民が宋の元公(25代。在位期間 前532年~517年)

    「知恵の輪」を贈ったが、君はどうしても解くことが出来なかった。

     そこで元公は、

     「器用な者は皆、この知恵の輪を解きに至れ」と、お触れを出した。

     しかし、集まった者で誰一人として解ける者はいなかった。

     すると、宋の説客・兒(倪)説(げいえつ)の一人の弟子が、

     「一つ解きに行って参りましょう」と言って、出かけた。

     そして知恵の輪の一つは解いたが、もう一つは解けなかった。

     しかしその弟子は言った、
     
     「解けるものならば、私に解けない訳は無い。

     それは、元々 解けないものなのだ」と。

     そこで、魯の下民を呼び出して確認させたところ、

     「その通りです。元々 解くことの出来ないものなのです。

     私はこれを作って解けないものだということを知っているのですが、

    あの人は自分で作ったものでもないのに、解けないことをご存じなのです

    から、私よりも巧者なのです」と言った。

     つまり、この兒説の弟子は、知恵の輪を解かないことによって解いたと

    言えるのである。

                     「呂氏春秋 審分覧・君分」

      説客(ぜいかく)とは、主に戦国時代に己の弁舌の才を以って、

      戦国諸侯や卿大夫を説いて回り、寄宿した遊説家。

       「韓非子」では、この兒説は宋の大夫となっており、斉の稷下に

      於いて活躍したと。  

     

                        

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    中国通史で辿る名言・故事探訪

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    中国通史で辿る名言・故事探訪(韓非子)

    「逆鱗に触れる」

                       春秋時代

     単に「逆鱗(げきりん)」とも。

     「天子の怒り」の喩え。

     転じて、目上の人の激しい怒りを言う。

     逆鱗の「鱗」は、竜の顎の下にあって逆さまに生えるという鱗であり、

    それに触ると竜は怒って、人を殺すという伝説がある。

     古来、天子は「竜」に譬えられる。

     故に諌説談論の士(君主や貴人に諫言したり、自説を説く者)は、

    愛憎の主を察して、然る後に説かざる可(べ)からず。

    (=主君の自分に対する存念をよく知悉して、その上で己の見解を

     説くべきである。)

     夫(そ)の竜の虫為る、柔なるときは狎れて騎(の)る可きなり。

     然れども其の喉下(こうか)に逆鱗 経尺(一尺ほど)なる有り。

     若し人 之に攖(ふ。=触)るる者有らば、則ち必ず人を殺さん。

     人主 亦 逆鱗有り。

     説く者 能く人主の逆鱗に攖るること無くば、則ち幾(ちか)からん。

     (=自説を勧めて、人主の逆鱗に触れることが無ければ、その期待

      もし得よう。)

                     「韓非子 説難篇」

     ☷ 拾遺・弥縫

       韓非子は、為すことの難しさ進言の難しさを、この故事を一例に

      して説くが、自らのその末路たるや、秦の始皇帝の時代に旧知の

      政敵李斯により罠に嵌められ、哀れにも自裁した。


     

     

     

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    中国通史で辿る名言・故事探訪(亡国の声)

      「衛の霊公」

                      春秋時代

     紀元前535年、衛の襄公九年八月に28代襄公が崩じて、太子の元が

    即位した。

     元は襄公とその愛妾との間に出来た公子で、襄公には他に後嗣が

    いなかったので大子となっていた。この元が後 しばしば問題を提起する

    二十九代霊公である。

     「亡国の声」 

     「亡国の音」ともいい、 国を亡ぼす原因となる淫靡な音楽。

     単に亡びた国の音楽とも。

     「声」とか「音」は、古代の音楽をいう。

     古代中国では特に儒家にあっては、音楽は君子の修養の手段として、

    更には「礼楽刑政」と併称されるように国家統治の手段として、並々ならぬ

    役割を負わされていた。

     春秋の時代は、概ね正しい音楽が行われれば世は治まり、音楽が乱れ

    れば国は亡びる、と言われたものである。

     衛の霊公が晋を訪れる途中、濮水の湖畔で(衛と晋の間には廃墟がある)

    野営することになった。

     すると夜半に何処からともなく、霊公がそれまで耳にしたことも無い

    ような心地よい琴の音が聞こえてきた。

     霊公が左右の者に、誰が奏でているのかと尋ねたが、誰も音楽は

    聞こえないと口を揃えて応えた。

     そこで霊公は、楽師なら聞こえるだろうと、同行する楽師の涓(けん)

    に命じてその譜を記録させた。

     その後 晋を訪れて、平公(29代)の主催の歓迎の宴席で、霊公は

    返礼の意味で濮水で聞いた珍しい曲を楽師涓に演奏するよう命じた。

     師涓が弾き始めると、晋の楽師 師曠(しこう)が横合いからそれを制止

    した。

     「これは亡国の声です。殷の師延が紂王のために作曲したもので、武王

    が淫を誅滅した際、師延は東に逃げ、濮水に身を投げて死にました。

     そこで、この曲は濮水の湖畔に限って聞こえ、聴けば国を削られること

    になるとの言い伝えがあり、地の人々は、「亡国の声」として忌み嫌って

    おります」と説明した。

     だが平公は耳を貸さず、なおも演奏を続けさせ、悲しい曲を二度、三度

    と所望した。

     するとその内 鶴が舞い降りたり、空に雲が湧き、激しい風雨が起って

    宮殿の屋根瓦を吹き飛ばした。

     宴席の者たちは、散り散りに逃げ惑い、平公は回廊の片隅に身を伏せ

    て難を避けた。

     その後 三年、晋は大旱魃に見舞われ、大地には草木も生ぜず、田畑は

    赤地をむき出しにした。

     平公は奇病を患い、情緒を失ってしまったという。

                       「史記 楽書」

     

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    tyouseimaru 河野長生

    Author:tyouseimaru 河野長生
    出身地は四国八十八か所参りの発心の阿波、大阪を終の棲家とする。
    歴史好きで、城郭・神社仏閣・歴史遺跡巡りが趣味となる。
    歴史小説や時代小説を好み、往年の著名な時代小説の類は概ね完読と、自負している。

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    自著「中国通史で辿る名言・故事探訪」の 上・中・下の3巻を、 近い内に「電子書籍」での出版を予定しています。 今年一年間は、さらに工夫を加えるなどして、補記訂正などの校正を第一義としています。       
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