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    中国通史で辿る名言・故事探訪(楚武王の天禄盡く)

     「盈ちて蕩(うご)くは天の道なり」

                         春秋時代

      》 楚の武王の天禄盡く 《   

       中原諸国では、軍装備としての「戟」は必需の主戦武器であったが、

      荊蛮と言われ半ば蔑視されていた楚では、武王の末年に至りよう

      やく戟を装備するようになった。

       魯・荘公四年(前690年)の春、武王は随を攻伐しようとして、

      初めて師(編成した軍団)に新兵器としての「孑(げつ)」を装備し、

      改めて楚国独自の陣立てをしようとした。

       この孑が、いわゆる「戟」と言われる武器である。

       武王は出陣に際して、今 将に祖廟で潔斎しようとしたところ、

      急ぎ奥の室に入って行き、夫人鄧曼(とうまん)に告げて言った。

       「余が心蕩(うご)(=胸騒ぎする)」と。

       鄧曼嘆じて曰く、

       「王の録 盡きたり。盈(み)ちて蕩(うご)くは天の道なり。

         ※ 禄は天禄の命、すなわち天から授かった命運。

       物事は満ち足りると、次はすっかり無くなるのが天の道というもの

      です。 

       先君其れ之を知れり。故に武事に臨み、当に大命を発せんとして、

      王の心を蕩(うご)かせり。

       (=お亡くなりになられた君などは、この事理をよくご存じだった

        のでしょう。だから戦時に際して、出陣の大命を降そうとなさる時

        に、王様のお心に動揺を来したのです。)

       若し師徒 虧(か)くることなく、王行(こう)に薨(こう)ぜば、

      国の福なり。

       (=仮のこの度の御出陣で将兵を損ずることなく、王様が征戦

        の行途にお亡くなりになるならば、其れは国の幸いというもの

        です。)

       楚王は直ちに出撃したが、樠木(まんぼく。アキニレの木)の下

      で亡くなった。

       令尹(楚の宰相)の闘祁(とうき)と莫敖(ばくごう)の屈重は、

      楚王の死をひた隠しにして、軍用道を切り拓き、溠水に橋を架け、

      陣を構えて堂々と随に向かったので、随は恐れをなして和睦を願い

      出た。

       屈重は楚王の命であると言って随国に入り、随侯と和睦の命を

      交わし、さらに両国の君が漢水の西で会合することを申し合わせて、

      軍を退き揚げた。

       そして漢水を渡ってから、改めて楚王の喪を発した。

                       「春秋左氏伝 荘公九年」

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    テーマ : 中国古典・名言
    ジャンル : 学問・文化・芸術

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     河野長生   tyouseimaru

    Author: 河野長生 tyouseimaru
    出身地は四国八十八か所参りの発心の阿波、大阪を終の棲家とする。
    歴史好きで、城郭・神社仏閣・歴史遺跡巡りが趣味となる。
    歴史小説や時代小説を好み、往年の著名な時代小説の類は概ね完読と、自負している。

    自薦
    自著「中国通史で辿る名言・故事探訪」の 上・中・下の3巻を、 近い内に「電子書籍」での出版を予定しています。 今年一年間は、さらに工夫を加えるなどして、補記訂正などの校正を第一義としています。       
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