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    中国通史で辿る名言・故事探訪(虢国に神降る)

     「神を得て以って国興り、また或いは以って亡ぶ」

                         東周

      東周王朝の17代惠王十五年(前663年)に神が虢(かく)国の莘

     に降るという事件があった。

      惠王と大夫の内史(史官)の過との間で、虢国存亡についての深刻

     な問答があった。

      惠王が過に其の事を質した。

      「何故そのような事が起こり、虢に降ったのか」と。

      過は、

      「国が興隆する時には、その君は公明正大で純潔慈愛があり、その徳

     は神に捧げる芳香に相応しく、その恵みは人民を統治するに十分であり、

     さすれば神もお受けになり民は従い、民も神も怨みません。

      そこで明神が降って、その盛徳を見て広く福をお授けになります。

      反対に国が亡びようとする時は、貪欲邪悪・淫乱怠惰で粗暴残虐で、

     その政治は生臭く、神への芳香は昇らず、その刑罰は乱脈を極め、

     民は離反します。

      神はそれを不潔とされるので、民に謀反の気持ちが出てくるや、民も

     神も怨んで懐き慕うという心がありません。

      さすれば神も、出向いてそのあり様を観察し、禍を降します。

      そこで、

      【是を以って或いは神を得て以って興り、また或いは以って亡ぶ】という
     
     訳でございます」、と。

      かくして昔の夏王朝や殷王朝の盛衰に言及し、

      「周王朝の興るや、鳳凰 岐山に鳴き、衰微すると宣王に殺された

     杜伯の亡霊が鎬の都に現れて宣王を射殺しました。

      これは皆 明神の記録でございます」と。

      更に王に問われるに、

      「今 降った神は何の神で、誰がお受けするのか」と。

      「その昔 悪徳の呼び名も高かった丹朱の神であり、虢国がお受けに

     なりましょう」と。

      王曰く、

      「然らば何の為にか」と。

      過は言う、

      「臣はこのように聞いております。

      『道ありて神を得る、之を福を逢うといい、

      淫にして神を得る、之を禍を貪るという。』

      今 虢は少しばかり荒んでおりますから、亡びるでしょう」と。

      王は、

      「吾は如何に為すべきや」と。

      過曰く、

      「太宰に申し付けて、祝史に狸姓の者を従え、犠牲とお供えの穀物

     と玉帛を奉げて祀りますが、決して願い事を祈らせてはなりません」と。

      そして王は問うた。

      「虢は後 何年もつのか」と。

      「五年の内でございましょう」と、応えた。

      果たして、惠王十九年(前659年)に、虢は滅ぼされてしまう。

                        『国語 周語』



      
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    テーマ : 中国古典・名言
    ジャンル : 学問・文化・芸術

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    Author:tyouseimaru 河野長生
    出身地は四国八十八か所参りの発心の阿波、大阪を終の棲家とする。
    歴史好きで、城郭・神社仏閣・歴史遺跡巡りが趣味となる。
    歴史小説や時代小説を好み、往年の著名な時代小説の類は概ね完読と、自負している。

    自薦
    自著「中国通史で辿る名言・故事探訪」の 上・中・下の3巻を、 近い内に「電子書籍」での出版を予定しています。 今年一年間は、さらに工夫を加えるなどして、補記訂正などの校正を第一義としています。       
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