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    中国通史で辿る名言・故事探訪(古人の糟魄(粕))

     「古人の糟魄(粕)

                        春秋時代

      昔の聖賢の言葉や著作として今日に伝わるものは、聖賢の神髄とは

     言えず、その粕に過ぎないということ。

      所謂 真髄は言葉や文章では伝えきれないという老荘流の思想。

      糟も魄も「かす」の意で、糟魄の原義はつまらないものの喩え。

      斉の桓公、書を堂上に読む。

      車輪作りの輪扁(輪は職を意味する)は、車輪を堂下で作っていたが、

     槌と鑿をを下に置いて堂上に上がり、桓公に問うた。

      「敢えて問う、公の読む所のものは何の言と為すや」と。

      (=敢えてお尋ねいたしますが、殿さまがお読みになっておられるのは、
      
       どういう言葉でございますか。)

      公曰く、

      「聖人の言なり」と。

      曰く(輪扁)、

      「聖人在りや」と。

      (=聖人は今この世にいるのですか。)

      公曰く、

      「已に死せり」と。

      輪扁曰く、

      「然らば則ち君の読む所のものは、古人の糟魄已矣(のみ)」と。

      (=そうだとすれば、殿さまがお読みになっておられるものは古人の

        「カス」にしかすぎません。)

      桓公曰く、

      「寡人 書を読むに、輪人 安(いずく)んぞ議するを得んや。

       (=私が書を読むのに、車輪作りがどうしてかれこれ言えるのか。)

      説あらば則ち可なるも、説なくんば則ち死せん」と。

      輪扁曰く、

      「臣や臣の事を以って之を観る。

      輪(車の)を斲(き。切削)るに、徐ならば則ち甘くして固からず、

     疾ならば則ち苦にして入らず。

        ※ 徐と疾は、ゆったり(甘い)と激しい(きつい)の意。

      徐ならず疾ならず、之を手に得て心に応じ、口も言うこと能わず、

     数(技或いは道理)のその間に存するあり。

      (=その具合の緩急は、長年の経験による我が感と手加減で

       会得して自らの心に納得するだけで、口で説明できるものでは

       ありません。

        物事の技や理屈というものは、そのようなものなのです。)

      臣は以って臣の子に喩すこと能わず、臣の子も亦た之を臣より受くる

      こと能わず。

       是を以って行年七十にして老いて輪を斲る。

       (=そのような訳で、私も已に七十にもなっておりますが、老いてなお

        この仕事をやっている訳であります。)

       古の人とその伝うべからざるものとは、死せり。

       然らば、則ち君の読む所のものは、古人の糟魄のみ」と。

                        「荘子 外篇・天道」

        ☞ 荘子:戦国時代の思想家で、後の道教の始祖の一人

             とされる。


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    テーマ : 中国古典・名言
    ジャンル : 学問・文化・芸術

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    tyouseimaru 河野長生

    Author:tyouseimaru 河野長生
    出身地は四国八十八か所参りの発心の阿波、大阪を終の棲家とする。
    歴史好きで、城郭・神社仏閣・歴史遺跡巡りが趣味となる。
    歴史小説や時代小説を好み、往年の著名な時代小説の類は概ね完読と、自負している。

    自薦
    自著「中国通史で辿る名言・故事探訪」の 上・中・下の3巻を、 近い内に「電子書籍」での出版を予定しています。 今年一年間は、さらに工夫を加えるなどして、補記訂正などの校正を第一義としています。       
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