FC2ブログ
    コンテントヘッダー

    中国通史で辿る名言・故事探訪(報恩と背逆の論理)

     「報恩と背逆の論理」

                        春秋時代

     》 晋の恵公の即位 《    紀元前650年

       晋では先代の献公(19代)が驪姫との間に儲けた奚斉(在位は

      前651年)と悼子(在位 前651年)が相次いで弑殺され、梁に亡命

      していた夷吾が秦の穆公の支援を受け、かつ覇者たる斉の桓公の

      仲介もあって君位に就く。

       晋国内では人望の高かった公子重耳に期待をかけたが、実現しな

      かったので里克らは梁にいる夷吾を迎えることにしたのである。

       だがこの時 夷吾にはほとんど率いる兵力も無く、故国にも真の

      味方はいなかったので先ず策を練った。

       夷吾は大国の秦に郤芮(げきぜい)を使者として派遣し、故国に

      復帰した暁には晋の河西の地を割譲する旨の約束を持ちかけ協力を

      取り付けた。

       更に故国の重臣・里克に書を遣り、真に復帰に尽力してくれるなら

      封土を与えるとまで約束し味方に取り込んだ。

       だが晋国の内政の乱れを憂慮した覇者たる斉の桓公は、晋の内乱を

      討つと称して晋領の高梁まで出兵した。

       その後 秦の穆公の意向を知り、大夫の隰朋(しゅうほう)に命じて秦と

      相談の上、夷吾を晋の君の座に就けることにして兵を退いた。

       かくして夷吾は、帰国の準備が整うや、秦軍に守られて堂々と帰国を

      果たし君位に就いた。これが恵公である。

       《 報恩か背逆か 》

       夷吾は即位の後 己の即位に尽力した里克を誅殺せんとして、

      代弁させて言う。

       「子 微(な)かりせば則ち此(これ)に及ばざらん。

       然りと雖も子は二君(驪姫の子の奚斉と悼子)と一大夫(筍息)とを

      殺せり。

       子の君たる者,亦た難からずや」と。

       (=そのような汝の君主となることは、何と難しいことではないか。)

      里克は対えて、

      「廃すること有らずんば、君 何を以って興らん。

       之に罪を加えんと欲せば、それ辞なからんや。

       (=それに罪を着せようとするなら、どんな理由でも成り立つだろう。)

      臣 命を聞けり」と言って、剣に身を伏せて死んだ。

      この際、里克の盟友・丕鄭は使者として秦に赴き、遅ればせながら

     賂を贈って秦にお礼を言上していたのでその難を避けることが出来た。

      だがその後 丕鄭が秦に行った時、穆公に晋の恵公が約束した地の

     割譲が実現しない理由として、呂甥・郤称・郤芮の三人が反対している

     からだと釈明し、この三人を多くの財貨で以って秦に呼び寄せることを

     煽り立てた。

      その冬 穆公は使者を出して、晋の三人の大夫を秦に招かせた。

      とこらが、郤芮はそれらが丕鄭らの策謀を見抜いて、躊躇することなく

     丕鄭を始めとして一味の大夫らを誅殺してしまった。

                      「春秋左氏伝 僖公十年」

     にほんブログ村 哲学・思想ブログ 名言・格言へ
    にほんブログ村

    スポンサーサイト

    テーマ : 中国古典・名言
    ジャンル : 学問・文化・芸術

    コンテントヘッダー

    コメントの投稿

    非公開コメント

    プロフィール
    プロフィール

     河野長生   tyouseimaru

    Author: 河野長生 tyouseimaru
    出身地は四国八十八か所参りの発心の阿波、大阪を終の棲家とする。
    歴史好きで、城郭・神社仏閣・歴史遺跡巡りが趣味となる。
    歴史小説や時代小説を好み、往年の著名な時代小説の類は概ね完読と、自負している。

    自薦
    自著「中国通史で辿る名言・故事探訪」の 上・中・下の3巻を、 近い内に「電子書籍」での出版を予定しています。 今年一年間は、さらに工夫を加えるなどして、補記訂正などの校正を第一義としています。       
    最新記事
    月別アーカイブ
    最新コメント
    最新トラックバック
    カテゴリ
    天気予報

    -天気予報コム- -FC2-
    おきてがみ
    おきてがみ
    twitter
    このブログの訪問者
    BLOG RANKING
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    リンク
    Powered By FC2ブログ

    今すぐブログを作ろう!

    Powered By FC2ブログ

    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    QRコード
    QR
    メールフォーム

    名前:
    メール:
    件名:
    本文:

    <
      /body>