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    中国通史で辿る名言・故事探訪(郤氏の復活)

     「敬いて相待つこと賓の如し」


                     東周王朝

      ある日のこと、冀(き)に逼塞していた晋の郤缺(げきけつ。郤成子、

     冀缺とも)が田野に出て雑草を刈り、彼の妻がその食事を用意する姿

     があった。

      彼らのその姿や態度、仕草たるや、当に賓客を迎えての接待である

     ような恭敬なものであった。

      その二人の不思議な光景に目を止めた者がいた。

      晋の文公の股肱の臣でまた重臣でもあった臼季(きゅうき。胥臣とも)

     である。

      思えば夫婦のようでありながら互いに敬い、まるで賓客を遇し合って

     いるような光景に接して、臼季は興味を覚えた。

      二人に近寄って見ると、なんとその正体が文公暗殺を企てたことの

     ある今は亡き郤芮(げきぜい)、その子の郤缺であることを知り、臼季は

     さらに驚かされた。

      だがこの時期には晋は、既に国内を完全に統一し、対外的に活動する

     時期に至っていたので、臼季は強いて言えば郤缺ら謀反人の追求者で

     はなかった。

      その後 臼季は郤缺を伴って文王に帰朝報告したが、その際に

     郤缺を推挙した。

      文公は、不機嫌な顔をして承知しようとしなかった。

      「あれの父(郤芮)には、罪(文公の暗殺を謀った経緯)がある。

       それでも良いというのか」と。

      だが臼季は引き下がらず、古の聖人舜と斉の桓公の故事を引き合い

     にして、即ち罪ある者の子を許したり、罪ある本人を許したという例を

     挙げて説得し、

      さらに康誥(書経の篇)を引き合いに出して説得した。

      「父は慈(いつく)しまず、子は親を敬わず、兄は弟を憐れまず、

      弟は兄に仕えざるも、其の罪 相及ぼすものならず」と。

      また詩(詩経)に曰く、

         葑(かぶ)の葉を摘み、韮の葉を摘む。

         根の悪しきとて、葉は棄つるなかれ。

      郤芮の子であるとはいえ、郤缺には優れた資質がございますので、

     捨て置かれませんように。

      臣はこのようにも聞きます、

      「門を出ずるに賓の如く、事を承るに祭りの如くなるは、仁の則なり」と。

      その説得に流石の文公も折れて、郤缺を取り立ててえ、下軍の大夫に

     任じた。

                 「国語 晋語」、「春秋左氏伝 僖公三十三年」 

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    テーマ : 中国古典・名言
    ジャンル : 学問・文化・芸術

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    tyouseimaru 河野長生

    Author:tyouseimaru 河野長生
    出身地は四国八十八か所参りの発心の阿波、大阪を終の棲家とする。
    歴史好きで、城郭・神社仏閣・歴史遺跡巡りが趣味となる。
    歴史小説や時代小説を好み、往年の著名な時代小説の類は概ね完読と、自負している。

    自薦
    自著「中国通史で辿る名言・故事探訪」の 上・中・下の3巻を、 近い内に「電子書籍」での出版を予定しています。 今年一年間は、さらに工夫を加えるなどして、補記訂正などの校正を第一義としています。       
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