FC2ブログ
    コンテントヘッダー

    中国通史で辿る名言・故事探訪(叔向伝)

     「其の罪 一なり」

                        春秋時代(東周)

      時に、晋の執政は韓宣子(韓起)であった。

      夏姫と巫臣の間の子か否かは不明であるが、春秋左氏伝では言う

     巫臣の子・邢侯が、同じく楚からの亡命貴族の雍子土地争いをして

     裁判沙汰となった。

      たまたま雍子の娘を夫人にしていた叔魚(羊舌鮒といい、古の遺直

     と謂われる叔向の弟)が訴訟を裁くことになった。

      ところがこの叔魚は兄の賢人・叔向(しゅくきょう)に似ず、利に聡い

     全くの俗物であり、当然に義父・雍子の味方をし、邢侯に罪ありと裁断

     した。

      もともと罪は雍子にありと言われていたので、邢侯は怒って雍子と

     叔魚を朝廷で殺してしまった。

      時に執政の韓宣子(韓起)は、其の罪を叔向に問うた。

      叔向曰く、

      「三人罪を同じくす。生に施し、死を戮して可なり。

       (=三人は同罪です。生きている者には刑罰を、既に死んだ者

        には誅戮を施してもよい。)

       雍子は自ら其の罪を知りて、賂を以って直(勝訴による無罪)を買い、

      叔魚や獄を鬻≪(ひさ)≫ぎ(賂によって公正たるべき裁きを曲げ)、

      邢侯は殺を専らにす。

       其の罪一なり。

       (=三人の犯した罪は皆同じである。)

       己の悪を隠して人の美(無罪)を掠め取るのは昏(暗愚)、貪欲の

      ために官職を涜(けが)すは墨(汚れ)、人を殺して情けなき者は賊

      (人殺し)。

       それらの罪は、夏書にも曰く、

       「昏・墨・賊は殺す」と。皐陶(こうよう)の刑なり、と。

       請う、之に従わん、と。

       則ち、邢侯は処刑され、雍子と叔魚の屍は市(市場)で曝された。

       仲尼(孔子)曰く、

       叔向は古の遺直なり。

       (=叔向は古の遺風を守る正直者である。)

       国を治め刑を制して、親(親族)に隠(まげ。=曲)ず。

       三度 叔魚の悪を数えて、末減(軽減)を為さず。

       曰く、

       「義なるかな。直と謂う可し」

                        「春秋左氏伝 昭公十四年」

         にほんブログ村 哲学・思想ブログ 名言・格言へ
    にほんブログ村

      
    スポンサーサイト

    テーマ : 中国古典・名言
    ジャンル : 学問・文化・芸術

    コンテントヘッダー

    コメントの投稿

    非公開コメント

    プロフィール
    プロフィール

     河野長生   tyouseimaru

    Author: 河野長生 tyouseimaru
    出身地は四国八十八か所参りの発心の阿波、大阪を終の棲家とする。
    歴史好きで、城郭・神社仏閣・歴史遺跡巡りが趣味となる。
    歴史小説や時代小説を好み、往年の著名な時代小説の類は概ね完読と、自負している。

    自薦
    自著「中国通史で辿る名言・故事探訪」の 上・中・下の3巻を、 近い内に「電子書籍」での出版を予定しています。 今年一年間は、さらに工夫を加えるなどして、補記訂正などの校正を第一義としています。       
    最新記事
    月別アーカイブ
    最新コメント
    最新トラックバック
    カテゴリ
    天気予報

    -天気予報コム- -FC2-
    おきてがみ
    おきてがみ
    twitter
    このブログの訪問者
    BLOG RANKING
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    リンク
    Powered By FC2ブログ

    今すぐブログを作ろう!

    Powered By FC2ブログ

    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    QRコード
    QR
    メールフォーム

    名前:
    メール:
    件名:
    本文:

    <
      /body>