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    中国通史で辿る名言・故事探訪(兵法家の誕生)

     「斉に救世主、現る」

                        春秋時代

    ” 将、軍に在りては君命も受けざることあり ” 

     戦場における前線指揮の将軍は、一旦軍中に入った以上は、たとえ

    君命があろうとも従わないこともある。

     田穣苴(じょうしょ)は斉の兵法家であり、その戦術は「司馬法」として

    広く普及した。

     彼の遠祖は、春秋時代の陳の公子・田完である。

     その田完は将軍職の大司馬に任ぜられたので、一般には司馬氏と

    言い習わされきた。

     田穣苴は、そのような訳で以後は司馬穣苴と記す。

     斉の26代景公の時代(前547年~490年)、斉は晋・燕に敗れて

    国はじり貧状態にあった。

     まさにそのような時、司馬穣苴は宰相の晏嬰(あんえい)に推挙されて

    出仕するようになった。

     穣苴は出仕するに当たって、景公にひとつの事を願い出た。

     「臣は微賤の出であるので、将士の信を得ることが出来ません。

     そこで君の寵臣で、国人らの敬愛を受けている人物を副将に付けて

    戴きたい」、と。

     景公はそこで荘賈(そうか)を任命した。

     穣苴は荘賈に対して、翌日正午に軍門に集まるよう命令を伝達した。

     荘賈は穣苴を軽く見ていたので、自分の送別の宴が正午を過ぎても

    軍門に行かなかった。

     やがて招集の時間が来たので、穣苴は全軍の閲兵をして軍令を伝達

    した。

     夕方になってから、ようやく荘賈が現れた。

     穣苴は軍令官に、

     「遅刻した罪は何であるか」と聞き、

     それが斬罪であることを確認すると、これに従って荘賈を処罰しよう

    とした。

     これに驚いた荘賈は、急ぎ景公の元へ急使を派遣した。

     しかし穣苴は全軍に軍律の厳しさを徹底させるため、穣苴の処刑を

    執行してしまった。

     間もなく君侯の使者が、赦免状を持って軍営の中を下馬しないで

    乗り込んで来た。 

     穣苴は使者に対して、

     「将は、軍中に在りては君命も受けざる所あり」、

    と言って全く動じないばかりか、軍令官に向って使者が陣中を馬で馳せた

    罪が斬罪に当たることを確認した上で、

     「君侯の使者を斬ることは出来ない」と言って、使者の馬車馬と御者

    を斬らせた。

     このように穣苴の軍律は厳格を極めたが、自分の俸禄を私せず散財し、

    自ら病人には薬を煎じ、兵と同じ食事を摂った。

     かくして三日後には、全軍は勇躍して出陣した。

     この新しい斉軍の動向を伝え聞いた晋・燕軍は、戦わずして斉の占領地

    から撤退を開始した。

                         「史記 司馬穣苴列伝」

       

     

     
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    テーマ : 中国古典・名言
    ジャンル : 学問・文化・芸術

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    tyouseimaru 河野長生

    Author:tyouseimaru 河野長生
    出身地は四国八十八か所参りの発心の阿波、大阪を終の棲家とする。
    歴史好きで、城郭・神社仏閣・歴史遺跡巡りが趣味となる。
    歴史小説や時代小説を好み、往年の著名な時代小説の類は概ね完読と、自負している。

    自薦
    自著「中国通史で辿る名言・故事探訪」の 上・中・下の3巻を、 近い内に「電子書籍」での出版を予定しています。 今年一年間は、さらに工夫を加えるなどして、補記訂正などの校正を第一義としています。       
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