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    中国通史で辿る名言・故事探訪(鄭の子産伝記)

     「吾 聞きて、これを薬とせん」

                       春秋時代

     鄭の子産は国政を執ること四十有余年に及んだが、寛厳宜しきを得た

    現実的な政策・外交により、平和な治世を実現し、晋や楚という強国の

    狭間にあって、よく国の内外を治め、春秋時代の名宰相の呼び声も高い。

     この鄭の国では、人々が郷校(都市即ち邑ごとに設けられた学校)に

    集まって、時の政治について得失を論断するという慣わしがあった。

     ところが然明(ぜんめい)という者が、子産に次のように進言した。

     「この悪しき風潮を断つために、郷校を廃止すべきである」と。

     すると子産は、己の思いを語り始めた。

     「どうして廃止する必要があろうか。彼らは朝夕の仕事を終えてから

    学校に集まり、遊びがてらに政治の善し悪しを議論しているのだ。

       ※ 当時の役人は朝と夕方の二回、勤務公所に出勤するという

         制度であった。

     私は彼らが善とするものは取り入れて実行し、その悪とするところの

    ものは改めるように心掛けている。

     彼らは、言うなれば吾が師でもある。廃止するなどとは、とんでもない

    ことだ。

     また、【善しとすることに耳を傾け、人の怨みを減らせ】とは聞くも、

    【威を振りかざして怨みを封じ込め】とは我は聞かず。

     むろん威圧により、其の言を封じ込めることは出来ようが、それは河の

    水を堰き止めるようなものであり、大きく決壊すれば被害は甚大となり、

    そうなっては吾が手では策も施しようがなくなる。

     従って、小さく堤を切って流路を付けた方がよいのだ。

     吾 聞きて、これを薬とせん」、と。

     然明は、子産の意図するところをよく理解して、深くの己を反省した。

     後年になり、仲尼(孔子)は子産のこの言葉を耳にして、己の存念を

    述べた。

     「これから推察すると、子産が不仁だという評判がたとえあったとしても、

    吾は信じはしない」と。

                      「春秋左氏伝 襄公三十一年」

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    テーマ : 中国古典・名言
    ジャンル : 学問・文化・芸術

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     河野長生   tyouseimaru

    Author: 河野長生 tyouseimaru
    出身地は四国八十八か所参りの発心の阿波、大阪を終の棲家とする。
    歴史好きで、城郭・神社仏閣・歴史遺跡巡りが趣味となる。
    歴史小説や時代小説を好み、往年の著名な時代小説の類は概ね完読と、自負している。

    自薦
    自著「中国通史で辿る名言・故事探訪」の 上・中・下の3巻を、 近い内に「電子書籍」での出版を予定しています。 今年一年間は、さらに工夫を加えるなどして、補記訂正などの校正を第一義としています。       
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