コンテントヘッダー

    中国通史で辿る名言・故事探訪

     「言に必ず儀を立てよ」


                        戦国時代

      発する言葉には、必ず拠るところの準則がなければならない。

      当今 統治者は誰しも、国は富み、人民が増えて、しかも国内の治安が

     保たれていることを願っている。

      ところが現実には、それに反する結果となっている。

      その原因はどこにあるのか。

      墨子は謂う、

      宿命論者が、民衆の中に多数混在しているからに他ならない。

      宿命論者は謂う、

      命 冨ならば則ち富み、命 貧なれば則ち貧しく、命 衆なれば則ち

     衆(おお)く、命 寡なれば則ち寡(すく)なく、命 治なれば則ち治ま

     り、命 乱なれば則ち乱れ、命 寿なれば則ち寿(いのちなが)し、

     命 夭ならば則ち夭(わかじに)す。

      命は強勁(きょうけい。強い活力)すると雖も何ぞ益さんや、

     と。

      宿命論者たちはこうした論理で、上は為政者を説得して回り、下は

     人民が労働に従事するのを妨害している。

      故に宿命論者は、他者の幸せを願わない不仁な連中である。

      そこで、彼らの言説の矛盾を明らかにせねばならない。

      では,其れを如何にして明らかにするか。

      子墨子曰く、

      言に必ず儀を立てよ。

      言にして儀 母(な)きは、譬うるに猶 運鈞の上にして朝夕を立つ

     る者の如きなり。

      (=言葉を発しながらも、その元となるべき法則がなければ、譬え

       てみると、回る轆轤の上に目印を立てておいて、こちらが日の出る

       東だ、こちらが日の沈む西だと主張するようなもの。)

      是非利害の弁は、得て明智す可からざるものなり。

      (=事の正・誤や利益・害悪を明確に識別することは出来ない。)

      故に三表あり、と。

      何をか三表と謂うや。

      子墨子曰く、

      之に本(もと)づくる者有り、之に原(たず)ぬる者有り、之を用うる者

     有り。

      何に於いてや之に本づくるや。

      上は之を古者(いにしえ)の聖王の事(事績)に本づく。

      何に於いてか之を原ぬるや。

      下は百姓の耳目の実(実際の感じ方)に原察す。

        ※ 原察とは、言説の根拠を探り求めること。

      何に於いてか之を用うるや。

      廃して以って刑政と為し、その国家・百姓・人民の利に中(あた)る

     を観る。

      (=その言説を改めて君主の法と為し、施政の現実の場において、

       其れが国家や人民に如何に利しているかを判じて、その結果に

       言説の根拠を見出す。)

      此れ所謂 言に三表有るなり。

                        「墨子 非命上」

    テーマ : 中国古典・名言
    ジャンル : 学問・文化・芸術

    コンテントヘッダー

    コメントの投稿

    非公開コメント

    プロフィール
    プロフィール

     河野長生   tyouseimaru

    Author: 河野長生 tyouseimaru
    出身地は四国八十八か所参りの発心の阿波、大阪を終の住処とする。
    歴史好きで、城郭・神社仏閣・歴史遺跡巡りが趣味となる。

    令和元年5月25日、マイブログがアマゾン kindle版として
    その題名も「心に響く中国歴史名」として出版されました。

    自薦
    自著「中国通史で辿る名言・故事探訪」は、上・中・下の3巻あり、 余りにも大部な書となってしまった。 そこで内容を圧縮して「ブログ」として、活路を見出した。 それで、かなり減量したものとなった。 今後はさらに読みやすいブログを目指して、工夫を加えるなどして、 補記訂正してゆきたいと思っています。       
    最新記事
    月別アーカイブ
    最新コメント
    カテゴリ
    天気予報

    -天気予報コム- -FC2-
    おきてがみ
    おきてがみ
    twitter
    このブログの訪問者
    中国通史で辿る故事名言探訪
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    リンク
    Powered By FC2ブログ

    今すぐブログを作ろう!

    Powered By FC2ブログ

    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    QRコード
    QR
    メールフォーム

    名前:
    メール:
    件名:
    本文:

    <
      /body>